内面から美しさが湧き出るような、そんな女性でありたい。
エルビューが考える美しさを体現し、
美しく年齢を重ねている方の生き方や考え方の中には、きっとその答えがあるはずです。
素敵なゲストをお招きし、あらゆる視点から“美”に繋がるヒントを探っていきます。
「夢と美を楽しむ」をコンセプトに、優雅なビジュアルと、上質な記事で多くの読者さんを魅了する『家庭画報』。その15代目の編集長・千葉由希子さんをお迎えしました。好奇心旺盛な読者さんにご満足していただく本を作り続ける重責を担いながらも、穏やかで気さくなお人柄。編集のご苦労や“和える”日本文化の魅力など心豊かになるお話しをうかがいました。
Profile
『家庭画報』編集長
千葉由希子
Yukiko Chiba
「家庭画報」編集長。1992年世界文化社入社時より「家庭画報」ファッション班所属。2001 年「MISS」副編集長。「MISS Wedding」所属後、「家庭画報別冊ときめき」と「家庭画報.com」編集長を経て、2018年より現職。趣味はスキー、読書、犬の散歩。
開くと心が満たされる
『家庭画報』らしさの秘密
冨宅:本日はお時間をいただきありがとうございます。この度、半年にわたり『家庭画報』の誌面にて、私共の会員誌で掲載した「日本文化支援」の記事の一部を掲載させていただいています。再登場いただいた先生方も大変喜ばれていらっしゃいます。
千葉:冨宅社長の心意気で芸術家の方々を応援される活動は素晴らしいと思っています。
冨宅:ありがとうございます。日本文化継承の一助となることを願っております。千葉さんは、65年という長きにわたり愛読されている『家庭画報』の編集長としてご活躍ですが、この世界に入られたきっかけがお
ありだったのでしょうか。
千葉:今思えば、小さい頃から本が大好きで、実家の近くにあった書店に入り浸っていろんな本を読んでいました。「本なら何でもいい」という親でしたから、普通ならみんなが「えっ⁉」と言うような本も、「自分で読んで良いか悪いか決めなさい」と、山のように本を買ってもらっていました。
冨宅:それが今につながっていらっしゃるのですね。私は『家庭画報』が大好きで、ページをめくるたびに心が満たされるように感じて、素晴らしい雑誌だと思っています。制作するにあたって大切にされていることがありますか。
千葉:「家庭画報らしさ」という言葉がすべてです。〝らしさ〞を表現するのが難しいのですが、読んだ方が幸せになったり、知識を得てよかったと思ってくださるエッセンスだと思います。入社した当初から「こういうテーマをやりたい」と言うと、「それは家庭画報らしいの?」と問われるわけです。あらゆる場面でそう問われてきたので、それが刷り込まれて核になっている気がします。
冨宅:そうして〝らしさ〞が受け継がれていくのですね。ほかの雑誌とは違う特別感があります。風景写真は季節感にあふれ、お食事もおいしそうで、行ってみたい、食べてみたいという思いに駆られます。
千葉:そうおっしゃっていただけてうれしいです。行動の原動力になることも意識して作っています。
冨宅:制作に携わる中で影響を受けた方はいらっしゃいましたか。
千葉:ファッション班にいた新人の頃、ご指導いただいた著名な方々とのことが今も私のベースです。そのお一人は上皇后陛下(当時は皇后陛下)のデザイナーをされていた植田いつ子先生。連載を担当させていただきました。戦争を経て何もない時代を経験された方は美への渇望を強くお持ちで、その鋭い感性に刺激を受けました。先生はお書きになる文章もすばらしく、今も、文章が書けなくて苦しい時は先生のご著書を読んで自分を鼓舞する、そんな存在です。
冨宅:第一線の方は才能も、お人柄も素晴らしい方が多いですね。
和えて高める
日本文化の粋を伝える
冨宅:文化・工芸を大きく取り上げられていらっしゃるのも『家庭画報』の特徴ですね。
千葉:近年、日本がいかに美しく特別な文化と、高い美意識を持っている国であるかということを実感しています。特に、編集をしていると「和える」ことが日本のよさではないかと感じます。古くから宗教や絵画、建築でも、外から来た、どんなに異質なものも、そこにあるものと和えて、まろやかないい形にして受け入れてきました。そうした柔軟で大らかな文化の魅力を一人でも多くの方に伝え、誇りに感じていただきたいという思いで誌面作りをしています。
冨宅:日本のよさを知っていただきたいという思い、私も同じです。千葉さんのお考えと似ていることを知り本当にうれしいです。「和える」と言えば、まさに香川漆芸と海外ブランドとのコラボレーション企画が大成功し、反響を呼んでいらっしゃいますね。昨年、千葉さんは香川県のイメージアップなどに尽力した方などに贈られる「かがわ21世紀大賞」も受賞されました。この企画は、どのようないきさつでスタートされたのですか。
千葉:ある時、香川県庁の方が「香川漆芸という優れた伝統文化を皆さんに知ってもらいたい」とご相談にいらしたんです。実は私も香川県の出身ですが、おはずかしながら香川漆芸については深く知りませんでした。うかがうと、香川漆芸は江戸時代には参勤交代の献上品とされ、井伊直弼も愛した名品。色漆と緻密な彫りを生かした三技法が特徴です。多くの方に知っていただくために家庭画報が間をとりもち、ファッションと掛け合わせ、新たな香川漆芸の魅力を発信しようという企画が決まりました。第1弾はイタリアの靴ブランド「セルジオ・ロッシ」のヒールを香川漆芸の人間国宝・山下義人さんをはじめ7名の職人さんが製作し、大好評を得ました。5年目の今年はイタリアの彫金細工と日本の漆芸が調和した格調高い宝石箱ができました。
冨宅:デザイナーの高田賢三さんと作られたお品は遺作となってしまわれたとうかがいました。
千葉:そうなのです。最後にお会いできなかったのが心残りですが、香川漆芸の複数の技法で賢三さんの菊を描いた大小4枚プレートと漆重箱ができあがりました。
冨宅:記憶に残るお品ですね。
短時間で肌が明るくなる
驚きの変化の繰り返し!
冨宅:千葉さんは若々しくいらっしゃいますが、普段から美容について心がけていらっしゃることはありますか。
千葉:化粧水をたっぷり使うのが好きです。私の母が朝夜丁寧なお手入れを欠かさない人で、今でも私より肌がきれいなくらいなのです。手抜きをしていると叱られるので、今日もきちんとスキンケアをしてきました(笑)。
冨宅:お肌もきれいですね。トリートメントをお使いいただいて、いかがですか。
千葉:もう大ファンです。すごいと思うのは洗顔の後につけて流すだけで、スキントーンが明るくなったり、キメが細かくなったり、1回で目に見える変化があることで、「ええっ⁉」という驚きの連続です。毎日使うといい状態が定着するという満足感もあります。
冨宅:それは本当にうれしいです。フェイストリートメントに入っている独自成分ミネラルオーレは、マイナス電位というエネルギーを持っていて、自らうるおうツヤ肌に導いていきます。毎日お使いいただくことで紫外線ダメージや冬の乾燥など、日中に受けた肌ストレスをケアするので、しっとりしたツヤ肌でいられます。
千葉:冨宅さんの美肌がそれを証明していますね。
冨宅:私はUVケアもしませんし、日傘も持ちません。ひたすら朝晩10秒トリートメントをしています。その後、ローションをつけるとうるおいがキープできます。化粧品のアイテムも減り、量もたくさん使わなくて大丈夫になりますよ(笑)。
心に幸せを届けられる
雑誌を、これからも
冨宅:千葉さんにとっての美とはどのようなものでしょうか。
千葉:生きていく上で、なくてはならないものだと思います。華やかな美もささやかな美も、それがあることで心が満たされたり幸せを感じたりできるものだと思います。また美しいものを見ている時の気持ちは、神様に向かって祈る時の心に通じる気がします。これまでも神様に捧げるために美しいものが作られてきましたし、自然が見せる美もそうして敬われてきました。美には、神秘性も感じます。
冨宅:素晴らしいお話をありがとうございます。最後にこれからの抱負を教えていただけますか。
千葉:読んでくださった方が1秒前よりも幸せな気持ちになったり、「明日も頑張ろう」と思ってくださったりする雑誌を作っていくのが、目の前の抱負です。15代目編集長としては、この雑誌が次世代に続くよう守り、バトンを渡すことが役目だと思っています。
冨宅:『家庭画報』は皆さんに愛され続けていくと信じています。千葉さんのこれからのご活躍をお祈り申し上げます。
【対談を終えて】
「夢と美を楽しむ」をコンセプトに、優雅なビジュアルと、
上質な記事で多くの読者さんを魅了する『家庭画報』。
その15代目の編集長・千葉由希子さんをお迎えしました。
好奇心旺盛な読者さんにご満足していただく本を作り続ける
重責を担いながらも、穏やかで気さくなお人柄。編集のご苦労や
“和える”日本文化の魅力など心豊かになるお話しをうかがいました。
冨宅社長と対談をさせていただき、エルビューが掲げる総合美の奥深さ、真摯な姿勢がよくわかりました。
化粧品と雑誌という異なる立場ですが、美に支えられ、美を支えることに取り組む姿勢は同じと感じました。
貴重な機会をありがとうございました。(千葉)
幅広い知識を常に深められ、美への追求もされていらして、とても素晴らしいと思いました。
柔らかで包容力のある千葉さんとの対談は心地よく楽しい時間でした。
お忙しい中ありがとうございました。(冨宅)
エルビュー株式会社 代表取締役社長。
2004年エルビュー株式会社設立、ファッション、美容などの幅広い知識を生かし、美をトータルに追求している。日本の伝統文化にも造詣が深い。