
1979年のデビュー以来、ドラマに映画にバラエティにと、長年第一線でご活躍されていらっしゃる原日出子さん。
温かく気さくなお人柄で、周囲の人から慕われる原さんに、お仕事のこと、ご家族のこと、今気になる『食』のことなどを伺いました。

Profile
女優
原日出子
Hideko Hara
東京都出身。1979年『夕焼けのマイ・ウェイ』で映画初出演。NHK連続テレビ小説『本日も晴天なり』(81~82)の主演に抜擢。『鈴木家の嘘』(18)で高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞。近作の主な出演作:映画『月』(23)、『大いなる不在』、『正体』(24)、大河ドラマ『青天を衝け』(21)、『クジャクのダンス、誰が見た?』(24)等。ドラマ『あなたを奪ったその日から』、KBS京都『SUNNY TIME』の『原日出子の京さんぽ』に出演中。
高校の演劇がきっかけでお芝居の世界へ

冨宅:ドラマや映画で長年ご活躍されていらっしゃる原さんですが、改めて、芸能界に入ったきっかけをお聞かせいただけますか?
原:高校生の時に演劇部の友人に誘われてお芝居をしたんですが、その時にお芝居って面白いなと思ったんです。卒業後も続けたくて、専門学校の演技コースに進みました。両親には事後承諾です。私、人に相談しないんです。自分でどんどん決めちゃうタイプ。両親は、大学へいって、お勤めして、お嫁にいって、と望んでいたので、最初は叱られました(笑)。それで1年間、演技やダンス、日舞などを勉強したのですが物足りなくて、劇団四季の入団テストを受けてみたら合格してしまって。まさか、それが仕事になるとは思っていなかったのですが、もう45年くらいたちました。
冨宅:ずっとオファーが尽きなかったのですね。皆さんも、原さんと一緒に仕事をしたいと思うのでしょうね。
原:若い頃はこんなに続けられるとは思っていなくて、苦しくて逃げた時期もあったのですが、「ぜひ出てください」とチャンスをいただかなければできない仕事ですからね。ありがたいです。
冨宅:昔と今と、演じる上で違うことはありますか?
原:年齢を重ねるにつれて、役回りがどんどん変わりますよね。若い頃は自分も主役を演りましたが、今はバックアップするポジションです。でも、どんなに出番が少なくても、その役の一生を想像しながら役作りをしていくので、演じるエネルギーは同じなんですよね。ただ経験を積んできた分、今はひとつひとつの役にスッと入れて集中できる。だから昔より楽しいんです。
冨宅:台詞はどのように覚えていらっしゃるのですか?
原:私、台詞覚えがいいんです。まず台本を3回、頭からお尻まで斜め読みして、それから自分のパートを読むのですが、覚えようとはしてないんです。写真みたいに、ページのどこにその台詞があるかまで入ります。
冨宅 :それで頭に入るのですか。
原:テレビや舞台はリハーサルやお稽古があるけど、映画はないんです。カメラテストに行って初めて、相手役の人と台詞を合わせるんですね。相手の音を聞いて、自分がどういう感情になるか確かめる。感情がわかると、台詞は自然と出てきます。
冨宅:天職なのだと思います。
原:もちろん、台本2ページくらい一人でしゃべる時は一生懸命覚えますけど、会話のやりとりなら集中すれば入るんですよ。子供達がまだ小さい頃、寝かしつけた後の短い時間で集中して覚えていたから、その時に身に付いたのかも知れませんね。
仕事と子育ての両立で睡眠時間は2〜3時間

冨宅:お子さんといえば、子育てと仕事の両立は大変だったのではないですか?
原:思い出せないくらい忙しかったですね。たとえば仕事で5時出発だとすると、3時に起きなきゃいけない。子供が寝てから台本を読んで、2〜3時間寝て、起きたら家族の朝ごはんと子供達のお弁当を作って出かける、という毎日でした。
冨宅:お体に障りはなかったのですか?
原:その時はなかったですね。人任せにできない性格なんですよ。仕事も子育てもしたい、家族のご飯も作りたい。考えないで体がまず動いちゃう。今から思うと、ものすごくタフでしたよね(笑)。あと能天気!忙しすぎて、くよくよする時間もなかった。でも無理がたたったのか、更年期ではボロボロになりました。
冨宅:ご家庭とお仕事との切り替えはどのようにされていたのですか?
原:「行ってきます」って家のドアを閉めたら、もう子供のことは諦めると決めていました。代わりのある仕事ではないので、何かあっても戻れないから。ただ、母が手伝いに来てくれていました。母は看護師だったので、たいていの病気や怪我は任せられたんです。
冨宅:それは心強いですね。
原:はい、でも「基本的には、子育てはあなたの仕事」って、御飯は作ってくれないんですよ。だから、仕事が終わって「お疲れ様〜」って言ったら、晩御飯の買物をして急いで帰ってご飯を作って、という感じでしたね。切り替えというより、そうせざるを得なかったんです。でも、そこを頑張ったからこそ今、この年齢になってもお仕事をさせていただけるのかなとは思います。
冨宅:それも、原さんへのお母様の愛情ですね。今はいかがですか?
原:子供が大学を卒業した時に私は50代半ばだったんですけど、やっと自分の番がきた、やりたい仕事を思う存分できるようになった!泊まりがけの撮影にも舞台の仕事で遠くにも行ける、バンザーイ!って思ったんです。それが本当の意味での女優スタートでしょうね。だから、今は仕事が楽しくてしょうがないんです。でもね、犬を飼い始めちゃったの。もうすぐ2歳。

冨宅:インスタグラムで拝見しました。かわいいですね。
原:不思議なんですけど、気持ちが落ち込んだ時に、助けてくれるものがスッと現れるんです。守られている人生だなって感じるんですけど、今回は犬がそれで。子供からは「やっと子育てが終わったのに犬を飼ったら、またどこへも行けないじゃない」と最初は反対されましたけど、結局、息子も娘も孫もベタかわいがりしています(笑)。「お母さんは、常に誰かに愛情を注いでいたい体質なの」と言われています。
健康でいるため『食べること』に心を砕く
冨宅:インスタグラムでは、おいしそうなお料理をアップされていますね。お料理はお好きですか?
原:どうせ作らなきゃいけないのだから、楽しく、おいしく食べられるようにと思って作っています。楽しみながら作るとおいしくなるし、
みんなが「おいしい」って言ってくれるのも嬉しいですし。母が「子供は、きちんとしたものを作って、きちんと食べさせていれば、悪い子には育たない」と言っていたのもありますね。
冨宅:バランスも考えられていますね。
原:お肉やお魚を1摂ったら、お野菜3くらいで考えています。タンパク質もお野菜も大事ですね。
冨宅:弊社でも去年から、エレクトーレファームという無農薬栽培の農園を始めたんです。化学肥料や化学農薬を使わず、いくつもの種類を同じ畑で栽培する共生農法で、野菜やハーブを育てています。味が濃くて甘くて、本当においしいんですよ。
原:素晴らしい!これからは第一次産業ですよ。もう他界されてしまったのですが、九州大学で土壌の研究をなさっていた先生と仲良くさせていただいて、実はいろいろ土のことを勉強したんです。知れば知るほど、家族のためにもきちんとしたものを手に入れたくなるけど、なかなか難しくて。こういう活動は誰にでもできることではないから、できる人がどんどんやって欲しいです。
冨宅:生態系保全にも繋げていきたいと思っています。
原:60歳を越えると、病気で倒れる人が周りに出てくるんですよ。だから本当に、健康が大事。私はお陰様で、ほとんどお医者さんにはかかってないんです。健康も病気も口から、と思います。

年をとるのも悪くないけれど、きれいに年をとっていきたい
冨宅:原さん、お肌がツヤツヤですが、エレクトーレをお使いいただいていかがですか?
原:実は以前、定期購入していたんですよ。時間がかからないのがいいですよね。たった10秒で簡単なのに、しっとりして乾燥が気にならないんですよね。私、お日様にあたりたいの。でもシミは気になりますね。
冨宅:フェイストリートメントを朝晩お使いいただくと、日差しの影響で現れる肌トラブルが気にならなくなります。
原:本当?
冨宅:はい。それに使い続けると、乾燥やメイク崩れに悩まされず、1年を通して肌が整っていきます。
原:朝晩使います!私、女優は、年をとったらそれなりの顔にならなくちゃダメだと思うんだけど、きれいに年をとりたいんですよね。年をとるのは怖くないなって、見ている人に思ってもらえたらいいなと。
冨宅:最後に、今後の抱負についてお伺いできますか?
原:とにかく、健康でいることですね。健康でいてこそ何でもできるし、親が健康でいることが子供にとって一番だと思うので。それから、楽しそうにしていること。それは、周りを幸せにするから。そうじゃない時ももちろんあるけど、思い出しちゃった時は「いけないいけない」って振り払って。楽しくないことに時間を費やしても、もったいないでしょ? あとは、お仕事が続くことですね。あと20年くらいやれたらいいなあ。自分にとって一番幸せな時間ですし、生き甲斐も感じる時間ですから。
冨宅:私達も、もっと原さんのドラマを拝見したいです。
原 大人の出番が多いドラマが、もっと増えるといいですね。今って、年齢を重ねることが価値のないもののような扱いをされる世の中でしょ?でも経験とか培ったものを、若い人達に伝えられるような場があった方がいいと思う。それって芸術文化が担うところなんですよね。瞬間瞬間の面白いのもいいけど、良いものを次世代に語り継いでいくような、いろいろな人の人生の幅を描いていくような作品が増えたらいいなと思ってます。ある作品に出会って、人生や生き方が変わったりする人もいるわけですから。そういう意味のあるものを作れたらいいですね。
冨宅:その通りですね。原さんのお仕事は、人生が好転するきっかけになるくらい大きな影響力がありますね。これからもご活躍を楽しみにしております。今日は楽しいお話をありがとうございました。
【対談を終えて】

エルビュー代表様との対談、とても楽しく興味深いお話しも聞けて有意義な時間でした。美容だけでなく、安全な食のための試みである新事業も期待しております。美しい肌は健康な体が作るものです。内側からも輝く美しさを手に入れたいものです。これからの貴社のますますのご発展をお祈り致します。(原)
原様の温かさに包まれながら、楽しいお話しをお伺いさせていただきまして貴重な一時でした。体調は食事でコントロールし、ほとんどお医者さんにかかったことがないとおっしゃっていたことが印象的でした。ご家族のためにもどんなにお忙しい時も毎日お料理を作られて素晴らしいと思いました。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。(冨宅)


2004年エルビュー株式会社設立。ファッション、美容などの知識を生かし、美をトータルに追求している。日本の伝統文化にも造詣が深い。