モデル・女優・エッセイスト 川原亜矢子さん
4年前から“着物„にハマり、歴史や風習までも探るように。
いいものに触れ、楽しむことで心が豊かになります。
Beauty Talk
Vol.58
2025.11.11 UPDATE
雑誌のモデルから単身で渡仏し、トップデザイナーに起用されパリコレモデルとして7年以上も一線で活躍。
帰国後は俳優として数々のドラマ・映画・舞台に出演。
そして現在、プライベートを大切にしつつ仕事を続けていらっしゃる川原亜矢子さん。
4年前から着物の素晴らしさを知り、日本の伝統工芸を楽しむようになった川原さんに、和を愛する心や美の秘訣について伺いました。
Profile
モデル・女優・エッセイスト
川原亜矢子
Ayako Kawahara
1971年東大阪生まれ。16歳でスカウトされ、月刊誌『mc Sister』(現:ハースト婦人画報社)の専属モデルとしてデビュー。’89年公開の映画『キッチン』(よしもとばなな原作)に主演。 ’91年に渡仏し、シャネルやイヴ・サンローランなどのコレクションに出演。レギュラーモデルを7年以上務めた。 ’98年に帰国後、本格的に女優業を開始。数々のドラマや映画、舞台に出演する。2024年9月より自身がデザインを手がけるバッグブランド「AYA」を主宰。日本人工芸作家を支援する活動も精力的に行っている。
エルビュー社を訪問したことが対談のきっかけに
冨宅:川原さん、今日のお着物も素敵ですね。先日、おひとりで着物姿で弊社にいらしてくださったときの感動を思い出します。
川原:ありがとうございます。もう4年前になりますが、知人からエレクトーレのソープをいただいたんです。洗顔するたびに目に見えて肌の明度が上がることに感動しまして。その後、フェイストリートメントも使わせていただいて、10秒パックにハマってしまいました。
冨宅:あらためてご愛用いただきありがとうございます。
川原:こちらこそ、毎回豊かなミネラルを体感させていただいています。フェイストリートメントと出合ったことで、着物のときこそ、肌を明るくキレイにしないと疲れて見えたり、老けて見えたりすることに気づかされました。
冨宅:確かに。肌の明るさが特に大事ですね。着物を着るようになられたのはいつ頃からですか?
川原:4年前からです。コロナ禍でずっと家にいるようになって、家の整理をする中で「自分は着物と向き合ってこなかったな」と感じまして。そこで、YouTubeで着付けを勉強して、数ヶ月後に自分で着られるようになりました。
冨宅:えっ⁉ 数ヶ月で着付けをマスターするなんて、さすがです。
川原:私、調べものをとことんするタイプなんです。着物を着るようになって立ち居振る舞い、特に歩き方が本当に変わって。それってすごいことだなと。現代の着物は、ハレの場で楽しむのがメインですが、100年くらい前はもっと日常的であったわけで。はだけちゃったりしながら皆が着物を着ていたことから、もっと汎用性の高いものだったんだなと。
冨宅:暑い時には麻や絽の着物を着たり、涼しげな柄や色を選ぶことで、気遣いのひとつとして活用できたりしますよね。
川原:暑い時期ですと、昼は紺色、夜は白っぽい色の着物を着用することで、お会いする方々に涼を感じていただく等になりました。他者への配慮や思いやりが粋であるという着物の持つ奥深さが好きになっています。
着物を楽しむことで和の伝統工芸を楽しむように
冨宅:織元まで出かけられたりするのですね?
川原:はい。特に興味があるのが”紬“でして。日本三大紬の石川県白山市で作られる「牛首紬」をYouTubeで知り、魅せられてしまいました。
冨宅:2頭の蚕が紡ぎ出す「玉繭」の織物ですよね。糸が不規則に重なり合っているため太い筋があったりして。
川原:独特の風合いや佇まいが魅力的で。ほぼ手作業で長い工程を経て作られていることに感動しました。
冨宅:私も江戸小紋の織元を訪ねたりします。一反を本当に手間ひまかけて作られる。職人の皆さまのお人柄も素晴らしいですね。
川原:背景を知って使うと、思いが変わって、触れるたび職人さんのお顔やお人柄が浮かんできます。
冨宅:後継者がなかなかいない問題もあったり、すべてが心のこもった1点モノで一生モノ。私もそうした素晴らしい伝統工芸を応援したくて、日本文化支援をさせていただいています。
川原:社長のお取り組み、素晴らしいです。私にできるのは小さなことですが、着物を楽しみながら作家さんに”寄り添いたい“と思っています。作家の方々も、伝統工芸の歴史を大切にしつつも、固執せずに時代の流れと共に進化させている人もいて、学ぶことが多いです。
冨宅:わかります。エルビューでは東京・青梅市でファームを運営しているのですが、畑と伝統工芸は近いと感じています。今、姪の長男である19歳の龍之介くんにファームを任せているんです。彼は「農業をおしゃれに、これからは若者に1番人気の職業にしたい」というのが持論で、友人たちに手伝ってもらいながら楽しく、見た目の美しい野菜を作ったりしています。
川原:素敵!私の友人の息子さんも長野で畑をしていて。どのように広がっていくのか楽しみです。
冨宅:川原さんの考えていらっしゃることとエレクトーレが目指していることの根底が近いです。今後、何か一緒に取り組みたいですね。
川原:はい、楽しみにしています。
パリコレモデルの経験で自分を愛することを学んだ
冨宅:19歳で単身パリに渡られて、もともとモデルさんになりたかったのですか?
川原:子供の頃の夢は歌手でした(笑)。16歳で身長が既に170センチあって、友人からの誘いで10代向けのファッション誌の専属モデルへ応募したのがきっかけです。そこから広がり、ポスターを見た監督から映画『キッチン』のオーディションに呼ばれて受かり。また、映画を観てくださったデザイナーからお声がかかってパリのランウェイに立たせていただきました。山口小夜子さん以降、海外に日本人モデルがほぼいなかったので、「ライバルが少ないからチャンスを掴める!」と信じて頑張りました。
冨宅:素晴らしいです。周囲の方が川原さんを引き上げてくださったのですね。私も以前ファッションの世界にいましたので、シャネルやラクロワのショーに出演されていた川原さんを知っています。当時はクールビューティな雰囲気で素敵でした。
川原:前髪ぱっつんで一重まぶたメイク。アジアンビューティを求められていました。でも、本当は奥二重だし、「私の個性をつぶさないで!」と主張していました。
冨宅:言葉の壁もあったでしょうし、ひとり海外で、しかも競争の激しい世界で頑張っていた川原さん、本当に尊敬します。
川原:周囲の人に助けられたおかげです。そして、自分を信じることができたからだと思います。
適度な運動と食事、そして”ひと笑い“が健康のもと
冨宅:川原流プロポーション維持法が知りたいです。
川原:そうですね、夜寝る前にストレッチ、朝にラジオ体操第一を続けています。また、各0.5キロのダンベルを両手に持ち、耳の後ろを通過して上げる・下げるを15回×3セットして肩甲骨をほぐしたりもしています。
冨宅:さすがですね。食事の面はいかがですか?
川原:糖分摂取には気をつけていて、3日に1回生の和菓子を食べるのを良しとしています(笑)。そのときにはお抹茶を立てて美味しくいただいています。あとお肉は夜ではなく朝に食べるように。そして〝一汁三菜〟を意識。野菜をお漬け物にしたり、お味噌汁を味噌から作るように。自然と発酵食品などが増えました。
冨宅:あまり外食はしないですか。
川原:ほぼ自炊です。14歳から自炊をしてきて料理は好きでして。
冨宅:私は休日は自炊していますが、日頃は仕事帰りに近くの姉の家で食べさせてもらっています(笑)。
川原:そういうお姉さまが近くにいらっしゃることがうらやましいです。私、一昨年の12月に心を痛めることがあり、心療内科に通ったんです。神社仏閣にもたくさん行くようになったり、寄り添ってくれる人が増えたりと環境が変わりました。〝心を空にすると助けてくれる人が寄ってきてくれる〟ことを体感しました。
冨宅:心を空にする経験が必要だったのかもしれませんね。
川原:はい。そして、もうひとつ大事にしているのが〝一日ひと笑い〟。病は気から。気を整えるためにも笑うようにしています。
冨宅:素敵。私もそうします。
川原:あ、そうそう、今年の6月から習字を習い始めたんです。文字がキレイになりたいと思って。
冨宅:それはいいですね。私も字が下手なので習字に興味があります。
川原:朝晩家で、習字を書いています。お茶を点てるときと同様に、心が落ち着くんです。
冨宅:とてもいいご趣味ですね。
川原:心も肌もうるおいで満たされた女性になりたいと思って。年齢を重ねても心身ともに潤いのある女性を目標に励んでいます。
冨宅:朝晩のフェイストリートメントは本当におすすめです。肌本来の力でうるおいを高めるし、ファンデーションがピタッとフィットするのでお直しが不要です。
川原:はい、フェイストリートメントを塗って洗い流すとうるおいと透明感の違いがわかります。
冨宅:よかったです。川原さんとこうしてお話しをさせていただいて、とても前向きで、優しくて、心が健やかでいらっしゃるなと感じます。
川原:うれしいです。心が健やかでありたいと常々思っています。
冨宅:今日は楽しいお時間を過ごさせて頂きましてありがとうございました。
【対談を終えて】
今回、冨宅社長からたくさんの栄養をいただきました。
エレクトーレでお手入れされている賜物のせいか、神々しい美しさを感じました。まさにミューズ!
今後も、エルビューさんの活動に刺激をいただきつつ、私も微力ながら日本の伝統工芸を支援してまいりたいと思います。
素敵な時間をありがとうございました。(川原)
まさに、エルビューが目指している女性、川原さん!
弊社にいらしてくださったときに“ひと目惚れ”して以来、こうしてゆっくりお話ができ、川原さんの魅力を皆さまにご紹介できまして本当にうれしいです。(冨宅)


2004年エルビュー株式会社設立。ファッション、美容などの知識を生かし、美をトータルに追求している。日本の伝統文化にも造詣が深い。
