はつらつとした笑顔と明快な語り口で大人気、
NHK『あさイチ』をはじめメディアにひっぱりだこの高尾美穂先生。
本誌連載『知っておきたい体のこと』も毎回反響を呼び、
「先生の話をもっと聞きたい」と読者の方々からラブコール多数!
現代の女性がよりよく生きるためのヒントや
ご自身のライフスタイルまで、じっくりお話を伺いました。
Profile
産婦人科専門医
高尾美穂
Miho Takao
イーク表参道副院長・婦人科スポーツドクター・ヨガ指導者。東京慈恵会医科大学大学院修了後、同大病院産婦人科助教、東京労災
病院女性総合外来などを経て現職。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、診療の傍ら多くのメディアで情報を発信。著書に『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』、『大丈夫だよ女性ホルモンと人生のお話111』などがある。
産婦人科医は女性の一生に
寄り添える仕事
冨宅:本日はお忙しいなかお越しくださいましてありがとうございます。テレビで先生を初めて拝見したとき、自然体なお姿がとても印象的で、患者さんも相談しやすいと思い、ジャーナルでもご出演いただきたいと思っておりました。そうしましたらご縁がありまして、現在連載いただき、大変嬉しく思っております。
高尾:ありがとうございます。
冨宅:先生が産婦人科医を志したのには、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
高尾:実は、最初はまったく産婦人科を考えておりませんでした。でも、大学病院の研修医としてさまざまな診療科を回ったのですが、なかでも妊娠、出産、更年期など女性の一生に寄り添って悩みや喜びを分かち合える産婦人科にやりがいを感じたんです。
冨宅:女性にはさまざまな悩みがありますから、治療するだけでなく、コミュニケーションも大切ですね。患者さんと接するうえで心がけていることはありますか?
高尾:外来では医師として解決法を提案するわけですが、患者さんがその選択を自分で選んだと思えるように勧めるよう意識しています。〝これしかない〞といわれると押し付けられたと感じるでしょうから、今のあなたの環境や希望を考えると、この方法がいいんじゃないですか、という感じでお話ししています。女性の不調というのはホルモンやメンタルなど複雑に絡んでいることも多く、本人が困っていることの背景に何があるのか見極めないといけません。私たちの役割は〝あぜ道〞を作ることであって、走っていくのはあくまでご本人です。自分で選んだ方針だから続けよう、頑張ってみようと思ってもらえることが大切です。
運動はメリットの宝庫!
楽しく取り入れてほしい
冨宅:女性の心と体は密接につながっています。高尾先生は婦人科スポーツドクターやヨガ講師としても活動されていますが、具体的にはどのようなお仕事をされていらっしゃるのですか。
高尾:婦人科のスポーツドクターとしては女性アスリートのメディカルやメンタルのサポートを行っています。女性の場合生理周期があり、生理中や生理後では同じトレーニングをしても結果が違います。女性アスリートの体の仕組みをきちんと知ってもらい、最大限パフォーマンスをあげていくに
はどうすればよいかをお伝えしています。
冨宅:スポーツ医学=整形外科というイメージで、産婦人科医でスポーツドクターというのは珍しいのではないですか。
高尾:確かにそう(笑)。でも私は子供のころから運動が大好きで。だから仕事でスポーツに携われるのはとても自然なことです。ヨガとの出合いも、大学院生の頃に捻挫したのがきっかけです。治すために何かできないかとたまたま初心者向けヨガクラスに参加したんです。運動が得意だと思っていたのに、私にはできないポーズを他の生徒さんがこなしていてびっくり。もっと深めたいと夢中になり、自然な流れで指導者の資格をとりました。10年くらい前からヨガを指導する人たちに、女性の体について知ってもらう取り組みも始めています。
冨宅:私も運動の大切さは感じていますが、なかなか時間がとれないのが悩みです。何かよい方法はありますか。
高尾:運動習慣がない人は、日常生活を少しだけ工夫してみてください。立つときにつま先立ちしてみたり、前のめりに早歩きしてみるだけでも心拍数は上がります。信号待ちをする際は空を見上げてみましょう。丸まった背中が伸びて、しっかり息を吸い込むことができます。これだけでもちょっとした運動になりますよ。
冨宅:それなら無理なくできそうです。
高尾:運動すれば基礎代謝が上がって太りにくくなる、よく眠れる、ストレスホルモンが減る、自律神経も整うなどメリットはたくさんあります。でも実際には10代の女性で運動習慣がある人は約45%、20代以降になると20%を大きく割り込んでいます。学生時代の体育の授業で嫌な思いをして、そのまま運動嫌いになる人が多いのかなと感じています。
冨宅:そのように感じていらっしゃる方は、どのように運動を楽しむのがおすすめですか。
高尾:今までまったくトライしたことのない、運動系の趣味に出合うのがおすすめです。フラメンコ、フラダンス…華やかな衣装を着られる、気の合う仲間とおしゃべりするなど、お楽しみがあると女性の場合は続けやすいと思います。
自分らしく年齢を重ねる
高尾流ウェルエイジング
冨宅:先生は年齢と戦う「アンチエイジング」ではなく、自分と向き合いながら年齢を重ねていく「ウェルエイジング」を提唱されていらして、私も同感しております。
高尾:エイジングって誰にでも起こっていることで下り坂ではあるけれど、前向きに変化を受け入れるのがウェルエイジングです。そのためには体に起きている変化について正しく理解して対処することが必要。そうすれば納得しやすくなるでしょう?
冨宅:無理に若作りをするのではなく、年齢を重ねることを受け入れて、その中で自分に自信を持って輝けたら素敵ですね。先生はいつもはつらつとされていますが、美容と健康のために何かされていらっしゃいますか。
高尾:いちばんはよく眠ることですね。睡眠時間を確保できないならその分睡眠の質を高めようという考えもありますが、十分に眠ることでしか得られないものってあるんです。私は23時半に寝て7時起床を心がけています。
冨宅:大変お忙しいのにどのように睡眠時間をキープされていらっしゃいますか。
高尾:まず睡眠時間を確保して、残りの時間をどう過ごすか逆算しています。SNSは発信専門ですし、髪は左右からドライヤーをあてるだけで後は形状記憶。白髪染めもネイルもしません。普通なら女性が時間を確保しなくてはいけないところを私は省略できているから楽なのかもしれませんね。
冨宅:モヒカンヘアもとてもお似合いで素敵です。
高尾:元々7 :3分けのショートヘアだったのですが、ある時、真ん中に寄せてみたら、私の大好きな〝タンタン〞に似てる!と定着したんです。
冨宅:そのような背景があったのですね。フェイストリートメントをお使いいただいていかがでしたか?
高尾:まず塗布時間が10秒でOKというのがとても便利ですよね。一度使っただけで肌がもちっと柔らかくなるように感じました。ずぼらな私には、スキンケアはシンプルなほうがありがたいのでうれしいです。
冨宅:フェイストリートメントに配合している独自成分ミネラルオーレは、マイナス電位というエネルギーを持っていますので、肌のうるおいをサポートします。使い続けるほどに肌が安定してきて、一年中うるおっています。
高尾:お風呂で肌が濡れた状態でも使えるんですね。
冨宅:そうなんです。ながらで出来て、10秒で洗い流すだけですので、皆さまにとても喜ばれています。先生にも是非毎日お使いいただきたいと思います。
高尾:ありがとうございます(笑)。使い続けてみます!
好奇心を忘れずに
自分も周囲もハッピーに
冨宅:最後に、今後の抱負をお伺いできますか?
高尾:今年ファンの方のお声を元に、オリジナルの手帳を作ったんです。その1ページ目に書いたのが〝人生は知的好奇心を満たす旅〞という言葉。物事は好奇心から始まっていくし、出合ったものや人に対する興味を大事にしていきたいですね。そして知識を日々アップデートしつつ、必要な人に必要なタイミングで届けていきたいです。
冨宅:元気で美しい女性が増えると周りを幸せにし、社会までも明るくすると思います。私も少しでも女性の皆さまのお役に立ち、社会の役にも立ちたいと思っています。本日は素敵なお話をお伺いさせていただきましてありがとうございました。高尾先生のこれからの一層のご活躍を心よりお祈りしております。
【対談を終えて】
このたびはお互いに、からだの外から、またからだの内から、
女性の健康や美しさ、そして自信を支える専門家として
ご一緒させていただきました。女性の皆さんが、
自分なりに納得できる良い人生を生きていくために、
これからもそれぞれの立場で出来ることを続けていけたらと
願っております。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。(高尾)
女性の皆さまがよりよい人生を送れるように導かれ、
日々患者さまにも寄り添われて本当にすばらしいと思いました。
明るく温かい笑顔も魅力的で、ためになる楽しい時間を
過ごさせていただきましてありがとうございました。(冨宅)
エルビュー株式会社 代表取締役社長。
2004年エルビュー株式会社設立、ファッション、美容などの幅広い知識を生かし、美をトータルに追求している。日本の伝統文化にも造詣が深い。