心も美しく

グローバル化の中における日本の美 その6

日本の美

No.11

2023.06.01 UPDATE

本当の美とは何か。 美の本質を伝える人気連載コラム。

前々回7月の美学コラムの中でたまたま合理主義に基づく西洋物質文明は、いずれ終焉を迎えざるを得ないと述べさせていただいていましたが、最近のサブプライム問題を契機とする金融危機は、あたかもそれを象徴する出来事のように思えます。


これによる世界的な景気の低迷を脱するには、最低でも2年や3年はかかるだろうと予想する向きが多いようですが、私は米国や英国等金融ビジネスの占める割合の大きい国を除けば、やり方次第ではそれが十分に可能であると考えますが、米国や英国等の低迷は相当の期間つづくであろうと推測しています。もともと米国も英国も製造大国だったわけですが、それがコストの安い国々に移管されて行く中で、売るものがなくなってきたということを背景に、お金そのものを売るというビジネスモデルを開発し、それが近年の成長を支えてきたわけですが、そのビジネスモデルが崩れ去ってしまった以上、次なる成長戦略を構築するには多大な時間と労力を有すると考えるからです。ただこの問題は、日本を含めてすべての先進国が多かれ少なかれ抱えているといってよいでしょう。先進国の中でもとりわけ製造の占める割合が大きい日本においては、賃金の安い国との競争の中で賃金の低下策を取らざるを得ず、それがいわゆる格差社会といわれるような状況を作り出しているということができるでしょう。



そうすると、国民が豊かで賃金の高い国がその後も持続的に発展していくためには何が必要なのでしょうか。最もよくいわれるのは革新的技術を開発し、高くても売れる高付加価値商品を開発することでしょう。それはそれで大切なことです。しかし、ものに頼る限り環境や資源の問題に常に直面せざるを得ないということを考えるとき、一番重要なのはそろそろ真剣に「こころを売る」ということを考えるべきだと思います。「こころを売る」というようなことを言うと何かいかがわしく感じられるかも知れませんが、人の幸せが物心両面にわたり満たされることであり、一方において飽食の時代といわれるように、物質的には十分に満たされている状況からして、いかにこころ豊かにするかというテーマに真剣に取り組むと同時に、そこに明確な経済的価値づけを行うことが大切だと思います。



最近日本における自動車の所有台数が初めて減少し始めたということを聞きましたが、単純に物が売れなくなるだけであれば経済は低迷し、豊かさが失われることになります。しかし、たとえば車のローンに使われていたお金が、コンサートに行くお金や庭の手入れに使われる、あるいはすばらしい旅館のもてなしに対して十分なお金が支払われる・・・そうすることによって経済的豊かさを失うことなくより環境にやさしくこころ豊かな生活を享受することができるようになるといえるでしょう。



江戸時代の東京は世界で最も人口が多いと同時に町中に花が咲き誇った文字通り大庭園都市でありました。同時に世界に冠たるおもてなしの文化に満ち溢れてもいたようです。そういう意味で次世代を考えるとき日本の古き良き伝統や文化から学ぶということも大変に重要だと思います。ひょっとして江戸の「粋」なこころこそが 次の時代をよりよくするために最も重要なことなのではないかと思うのです。

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