大人の女性に起こりうる心と体の不調の原因、その解決法を専門家に伺います。
〝冷えは万病のもと〞は本当!
血行促進を日常的に意識して
寒くなると気になる「冷え」。女性にとって、冷えはどんな影響があるのでしょうか。
「冷えるというのは、簡単にいうと血液の巡りが悪いということです。血液は酸素や栄養、ホルモンなどを全身に運んだり、老廃物を除去する役割もあります。血液の循環がスムーズにいかなくなれば、代謝や免疫機能が低下し、不調や病気が起こりやすくなってしまいます。血液の流れを生み出すには筋肉が必要ですが、更年期以降の女性は運動習慣をもっている人も少なく筋肉量が減る一方。さらに体重が増えてくるとますます動きたくなくなり、冷えにつながる…といった悪循環に陥りやすくなります。もちろん美容面でも冷えは百害あって一利なし。巡りが悪いと肌に栄養やホルモンが十分にいき渡らずに、むくみやくすみ、乾燥といったトラブルを招きます」
では、冷えを生まないためには普段の生活でどう工夫をするべきでしょうか?
「暖かい部屋で過ごしたり、冷えない服装をするなども必要ですが、根本は体の中からケアするべき。効果的なのは背中やお尻、太ももなど大きな筋肉を増やして代謝を上げること、そして末端の筋肉をしっかり動かすことも意識してください。手を繰り返しグーパーするだけでも、血液が送り出されて指先までポカポカしてきます。あとは入浴もよいですね。湯船に浸かって体の芯から温まり、リラックスすることで副交感神経が優位になり、血流が促されます。更年期世代にはきちんと眠れないと悩む方も多いのですが、人は体温が下がるときに眠気をもよおすので、入浴後、体温が下がるタイミング(30分〜一時間後)を逃さずにスムーズな入眠を心がけるとよいでしょう」
こんな症状を感じたら要注意!?
冷えている度チェック
□ 肌が乾燥している
□ 手足など体の末端が冷たい
□ 夜は分厚い靴下を履かないと眠れない
□ 冷たい飲み物を好む
□ 些細なことでいつもイライラしてしまう
冷えを予防するために
心掛けたい4つのコト
体を温める旬の食材を積極的に摂る
カブ、生姜、玉ねぎ、ニラ、ネギ、にんにくなどは血流を促して体を温める働きが。鍋やスープにすればたくさん食べられて内側からポカポカに!
背中や太ももなど大きい筋肉を増やす
筋肉はちゃんと動かせば年齢を問わず確実に増えます。スクワットや肩回し、ウォーキングなど無理のない範囲で、運動を取り入れましょう。
湯船にゆったり浸かってリラックス
入浴は血管を拡張させて体の末端まで血流を促すのに有効です。ちなみにサウナ&水風呂は心臓への負担も大きく、万人にはおすすめできません。
就寝前に白湯など温かいものを飲む
温かい飲み物で内臓が温まり、精神的にもリラックスできて血行アップ。就寝前はホットミルクがよいといわれますが、白湯でも十分効果があります。