大人の女性に起こりうる心と体の不調の原因、その解決法を専門医に伺います。
今回のテーマ「猛暑をのりきる生活習慣」
夏バテしやすい度チェック
□日頃から運動習慣がない
□夜よく眠れていない
□夏にしっかり食べられない
□冷たいものばかり飲む・食べる
□もともと体力がない
夏バテに特効薬ナシ。
生活のベースは変えずに
工夫をしてみましょう
今年の夏も昨年のような猛暑がやってくるといわれています。夏バテしないように、どのような対策をしたらよいのか、高尾先生に聞きました。
「夏って、なんとなく気分もゆるみ、夏休みで家に子供がいたりして、生活リズムが変わりますよね。気温が高いだけでもストレスなのに、さらに、家族との付き合い方でもストレスが多くなるとき。こうした心理的要因と、エアコンに長時間あたりっぱなしでいることや冷たい飲み物をとりすぎることによる〝体の冷え〟といった身体的要因が、夏バテを引き起こすと思われます。実は、夏バテに特効薬などなくて、何よりも生活リズムを変えないことが大事なんです。深夜まで起きていたり朝食を抜いたりなどすることで、体調が悪くなってしまいますよ」
そして夏といえば、睡眠不足に悩む人も急増。寝苦しい夜、なかなか寝つけない、眠りが浅いという人はどのような意識をしたらよいのでしょう?
「湯船に浸かった方がいいですね。人は、体が温まっている状況から体温が下がってきたときに交感神経から副交感神経にスイッチして深い眠りに入れます。眠る2時間前くらいにお風呂に入るようにしましょう。また、夏だからといって喉ごしのいい冷たいものばかり食べていてもエネルギーになりません。意識的に温かいものも取り入れてみてください。そしてエアコンによる冷やしすぎはダメ。ひんやり寝具を取り入れるなど工夫をしてみましょう。それと、ゴロゴロしちゃダメです。ダラダラすると動きたくなくなって、活動意欲がそがれます。できれば夕方に近所を散歩する、地下街を早歩きするなど体を心地よく疲れさせてほしいです。そうすると汗をかいてお風呂に入りたくなり、その後は自然と眠たくなる…そんなサイクルを心掛けて、夏をのりきってくださいね」
猛暑をのりきるために
心掛けたい4つのコト
食事を見直してみる
冷たいものばかりではなく、温かいものを飲むようにしましょう。アイスクリームなど間食の見直しを。また、夜は良質な眠りのためにもカフェインは控えて。
毎晩湯船に浸かる
就寝の2時間前くらいに、湯船に浸ってください。朝風呂派の人も、夜の入浴に変えてみて。約40℃の湯に10〜15分、全身浴で体を温めると、疲労回復効果も大です。
汗をかいたら着替える
朝出社するだけで汗びっしょり。そんなとき高尾先生はインナーだけでも着替えるそう。「濡れたインナーのままでは体が冷えてしまいます。着替えは大事です」
ゴロゴロしない
夏バテしやすい人は運動不足なことが多いです。ダラダラしているとやる気が出ないし、かえってだるくなります。夕方の散歩や、ストレッチなどで体を動かして。
高尾美穂
Miho Takao
STAFF CREDIT
イラスト/itabamoe