自分の中の思いを実現するために、必要なこと。その第一は、思いを単なる願望のままにせず、その内容を明確にして具体的な目標を立てること。そして第二に、「いつまでに」という期限を決めること。

以上があってはじめて、ではどうやって実現するかという「方法」を考えることが求められます。多くの人は、実はこの「方法」から考えてしまうことにあります。目標の内容も決まらないのに方法から入っても、結局はどうしたらいいのかわからないまま、願望だけで終わってしまうでしょう。何かを実現できる人というのは、方法は後から考える。どうなりたいかを明確にすれば、方法は後からついてくるということを知っているからです。

そうして内容が決まって期日も決めて、その方法が見えてきたら、その次にはすぐにそれを行動に移すことです。まずはとにかくやってみる。やってみて、それでどうかということをさらに考えるという、そういう順番になります。行動を変えてはじめてすべてが変わり始めるので、むしろ動きながら考えるくらいでないと、いくら考えたってやってみないとわからないことのほうが多いのです。

前にもお話しましたが、人間の行動を分析すると、意識してやっていることというのは5%しかありません。たとえば朝起きて着替えるとき、右手から袖を通すか左手からかなんていうことを、人は考えません。誰かと会ったときに笑顔になるかどうか、これも意識していません。大半は無意識のうちにやっているわけで、だからこの無意識の行動をいかに変えるかが重要なのですが、そのためには、やはり自己イメージをしっかりともつこと。日々の生活、あるいは自分自身のあり方が、どうであれば目標を具現化できるかというイメージをしっかりともつことです。そうすれば、自然とそれが行動になって現れてくるでしょう。