心も美しく

グローバル化の中における日本の美

日本の美

No.6

2023.06.01 UPDATE

本当の美とは何か。 美の本質を伝える人気連載コラム。

思えば日本に於ける品性の本質 それもつつましさということにあったように思います。ところが戦後特に現代のグローバル化がどんどん進んでいく中で異文化と接する機会が多くなり日本の文化も大きく変質しつつあるように思います。

例えば雑誌や書物の中でレディーファーストを何気なくスマートに実践している男性の素晴らしさのようなことが良く書かれていたりします。そしてその背景として日本人の男性のマナーのなさが取り上げられたりもするものです。相手を思いやることが大切であるということは当然でしょう。しかしそれと女性を先に歩かせるという形が直接的に結び付くものだとは思えません。一歩か三歩かは別にして男性の少し後を歩く女性の姿というのはつつましさという観点からすれば女性の美しさを際立てる歩き方ということもできるのではないでしょうか。私にはニューヨークやロンドンの街中でどうどうと男性が先に歩く日本人の姿のほうが余程に美しく思えますし、そういう日本の美意識をどうどうと伝えることの方が 真の国際人としては必要に思えます。海外に行ったときに突然物知り顔でレディーファーストを付け刃でやってみたところで私には滑稽でサルのようにしか見えません。そもそもレディーファーストなんて大昔農耕民族だった日本人と違って狩猟民族でカップルで獲物を追ってあちこちをほっつきまわり夜に寝る場所である洞穴を捜し歩いた西洋人の男性にとって何が飛び出してくるかわからない洞穴へ入るにあたってはまずは女性から先に入らせるというのは自己防衛上の行動だったといったら怒られるでしょうか。今でも妻に財布は絶対に握らせない西洋人と財布ごと完全に掌握し旦那にお小遣いを与える日本における奥さんのどちらが大事にされているかを考えればそれまた明瞭に思えるのですが。

さてさて冗談はさておきこのつつましさということはこれからの時代に最も必要な概念のように思えます。最近のノーベル賞を受賞された女性が環境や資源の枯渇ということが最も問題となるであろうこれからの時代において最も必要な言葉は日本語にしかない「もったいない」という言葉だと発言されて注目されていましたが、さらにそれを前向きにもっと心豊かな表現として一歩進めたときそれは「つつましい」という言葉になるのではないかと思います。世界に凄まじいともいえる勢いで浸透しつつあるクールジャパンという現象はそういう意識が潜在的に影響をあたえているからだとも思えるのです。

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