心も美しく

【齋藤薫】“あなたは鏡を何枚持っていますか?”
鏡の数だけ、女は若返る

Beauty Style

Vol.2

2023.06.01 UPDATE

まず、あなたは鏡を何枚持っているだろうか? ふだん何枚の鏡を使っているのだろうか?

結論から言うならば、鏡の数は多いほどいい。その枚数分だけ、女は若く見えるから。鏡の分だけ、キレイになれるから。
これはヤワな精神論ではない。本当に本当に、鏡の数は大切。なぜなら、この世で唯一、自分の姿を見られないのは自分だけ。まさしく人は鏡でしか自分を見られないからである。なのに鏡の本当の力を、多くの人がまだ知らずにいる。

たとえば3日間、鏡を一度ものぞかずに過ごすと、それだけで顔だちは少し変わると言われる。それは、鏡がナチュラルリフト効果をもっていることの証。人は鏡を見ることで、顔だちを、肉づきの位置を、知らず知らず確認し、記憶させている。だから3日も顔を見ないでいると、それだけで肉はあるべき場所を忘れ、肌もたるみ、顔だちも違って見えるということ。まさに視覚によるリフトアップと言っていいが、だから、何があっても鏡は毎日見続けなければならないのだ。何度も何度も。

ただ毎日同じ条件の中で見る同じ鏡は、毎回同じ自分しか映さない。それがいつの間にか“うぬぼれ鏡”になっていて、自分のいちばんキレイな顔しか映さなくなっていたりする。それではダメ。“自分の欠点”を知ることが、キレイになる第一歩。少々辛いが、自分の衰えをきちんと見ることが、アンチエイジングの第一歩なのである。

だから、いろんな鏡をもつこと。手鏡をいろんな場所で見るのもいい。光が違うと、向きが違うと、そのたびに別人が映し出される。人は100も200も顔をもつのだから、なるべく多くの自分を映したいのだ。
とりわけ重要なのが、遠目で自分を見ること。気付かなかったたるみくすみや、体型の変化など、自分を引いて見て初めて気付くことって少なくない。いわゆる姿見も、なるべく遠くから自分をチェックできる場所に置くべき。逆に、できるだけ近くから、それこそ毛穴までが見えてしまう鏡ももっておくべき。

ともかく鏡はすべてを映してくれるようでいて、じつは映すものが限られている。だからこそ、枚数をもつべきなのである。
ブティックのフィッティングルームが、たまにぐるりと鏡で張り巡らされていて、自分の後ろ姿がそっくり映し出されると、本当に愕然とする。後ろ姿が想像以上に太って見えたり、老けて見えたり、いやそれだけ人は自分の後ろ姿を知らないということなのである。けれど、そういう姿見まですべて家になくてもいいのは、見慣れてしまうことにも落とし穴があるから。

久しぶりに会った人に「すごくやせたね」と言われても、その自覚がないのは、毎日毎日見続けていると変化を見落とすから。だから“時々見る鏡”も必要。外出先で不意にのぞく鏡も、だからとても大切なのである。
鏡で欠点だらけの自分を見つけたらラッキーと思うこと。気付くことが美容なのだから。

齋藤薫

Kaoru Saito

美容ジャーナリスト/エッセイスト
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新著『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。
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