心も美しく

【齋藤薫】「若い!」より「素敵!」と言われたい

齋藤薫のビューティスタイル

Vol.19

2023.06.01 UPDATE

"人から誉められる"ほどの美容はない……いつもそう思う。特に大人になってからは、人に誉められることそれ自体が"アンチエイジング"となるほど。じゃあ、女はどう誉められたいのか?

まずひとつ言えるのは、「若い!」と誉められることは、確かに嬉しいことだけど、最近はちょっとその意味合いが違ってきている。ここまで美容医療がポピュラーになると、いくら若くても「あの人、何と何をやったのかしら」と思われてしまうような時代。「若い」「若い」と誉められると「若すぎない?」と疑問に思われているのではないかと、疑心暗鬼になったりして。どちらにしても"若さ"の意味が少しずつ歪んできているのだ。

欧米では、特にフランスあたりでは、「若い」はまったく"誉め言葉"ではない。むしろひとつの理想である"シック"と相反することから、「若く見える」はマイナス要素になることすらあるくらい。

もちろんフランス人も美容医療はやるけれど、"若く見せるため"ではなく、"老けて見えないため"。そしてフランス女がつねにテーマにしているのは、ずばり「素敵」ということなのである。

"素敵"はとても抽象的な言葉だけれど、ともかく"人の心を惹きつける素晴らしいさま"という、人の魅力の最上級を意味している。だから、日本語の「素敵」に対して、フランス語には同じような意味を持つ言葉が、10も20も存在してしまう。それだけ多くの"素敵"があるからこそ、一生をかけて目指していくということなのだ。

たとえば、最近になってにわかに注目度を高めている草笛光子さんという女優は、現在81歳。今尚女優として活躍し続けているが、その立ち姿の美しさは、ハッと息をのむほど。背すじはピンとのび、ハイヒールは驚くほど高い。髪は真っ白なのに、ゴージャスにスタイリングされている。それがプラチナブロンドのように見えるから、むしろ自分も早くああなりたいと思うほどの、圧倒的な素敵さ。

そう、80代になっても憧れられる女性になること。それが究極の「素敵」であり、「若さ」より何倍も何十倍も尊いことだと思うのだ。もちろん「キレイね」よりも価値があることとして。

そういう意味では、幾つになっても遅すぎることはない。一生かけて「素敵」と言われることをテーマに生きていいのだから。

ファッションが素敵、髪型が素敵、サングラスが素敵、口紅の色が素敵、肌の色艶が素敵、そして笑顔が素敵……素敵は無限にあるけれど、ともかくすれ違いざま、あるいはカフェで、遠目で、「あの人、素敵」と思ってくれる、言ってくれる、それを目指してみてほしい。

存在が丸ごと素敵と言われる女性に……それがこれからのアンチエイジング!!

齋藤薫

Kaoru Saito

美容ジャーナリスト/エッセイスト
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新著『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。
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