心も美しく

【齋藤薫】あなたは今週、何回泣いただろうか?
心の震えが美しさを作る涙美容の話

Beauty Style

Vol.36

2023.06.01 UPDATE

ズバリあなたは、今週何回泣いただろうか? そういえば久しく泣いていないと言う人も、きっと少なくないはずだ。ひょっとしたら、心が動きにくくなっているせいではないか?そういう疑いを持って、今こそ自分の心と向き合って欲しいのだ。

既にコロナ禍に入って1年半、新しい生活習慣には少しずつ慣れてきたものの、慣れれば慣れるほど、逆に際立ってくるのが日常生活が平坦すぎること。外出の回数も減り、当然のことながら会食も激減したりするのだ。観劇やコンサートなどに加え、映画館もさすがに再開されたとしても、何かわざわざエネルギーが湧かないと言う声をよく耳にする。

なんとなくでもこの平坦な生活に、体が慣れてしまっているからではないか。いや心までが、わざわざ感動を得たいと言う意欲を減退させてしまっているからではないだろうか。

人間は良くも悪くも環境にすぐ慣れる。動かないことにも身も心も慣れていたとしたら残念なこと。

以前からマスク生活が笑顔の数を減らし、表情を乏しくしていると言う指摘はあったけれど、笑顔と同じくらい実は大切なのが、心を震わして泣くことではないかと思う。泣くことそれ自体が人を美しくすると言ってもいいほどの、大切な働きを担っているからなのだ。

それこそ人間の体は本当によくできている。涙の意味によって働きが違うことにも驚かされるばかり。同じように見える涙にも、じつは3種類あって、まず悔し涙や怒りの涙のようなネガティブな涙は、塩辛くて、粘っこいのが特徴。これは交感神経が優位となり、ナトリウムや塩素などの電解質の量が多くなり、水分量の割合が少なくなる分だけ粘度が高くなるのだ。一方、うれし涙と悲しい時の涙は副交感神経が優位になっているので、サラサラしていて温かくて、甘いと感じることさえあるはずだ。

ただどちらにしても、感情がもたらす涙はストレス物質を溶け込ませて体外に排出するので、おそらく泣いた後は身も心もスッキリしているはず。ストレスが明らかに軽減している証なのだ。

そしてもう一つ、感動の涙は、情動性の涙としてまた分けて考えられる。しかもこの涙は驚くべきことに、脳が反応し血流が増えることによって出る涙だと言われる。心を癒し、不安や怒りを和らげて“幸せホルモン”セロトニンを増やして、今ならば、いわゆるコロナ鬱を防いでくれる力もあるのだとか。文字通り、感動はストレスを消し去る最大の手段なのである。

さてどうだろう。感情がもたらす涙をあなたはきちんと流しているだろうか。喜怒哀楽いずれから出る涙でもいい。もっともっと心を動かして、感情の涙を流してほしいのだ。そして、感情が乱れることなどない、心穏やかな生活をしている人だって、ぜひとも映画や観劇コンサートで自ら感動の中に自分を連れて行って欲しい。無表情でいるのと同様、心の無表情もいたずらに人を衰えさせる。もうしばらく続くコロナ生活における、大切な美容である。

齋藤薫

齋藤薫

Kaoru Saito

美容ジャーナリスト/エッセイスト
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新著『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

5つの章に100話の美人になる法則をつめこんだ、素敵なレディになるための一冊。
「美人だけが知っている100の秘密」(角川春樹事務所)
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