内より美しく

正しく理解して対策するホルモンの乱れ

高尾先生に聞く!知っておきたい体のこと

Vol.1

2023.06.01 UPDATE

大人の女性に起こりうる心と体の不調の原因、その解決法を専門家に伺います。

体の変化を正しく理解すれば
過度に恐れる必要なし!

40〜50代の女性は仕事、子育て、介護などいくつもの役割を果たす多忙な世代。一方で心がゆらいだり、体に不調を感じているという声もよく聞きます。
「日本の女性は平均50.5歳で閉経を迎えますが、閉経を挟む前後10年間は更年期にあたります。女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減り、乱れることでほてり、のぼせ、イライラ、肩こり、不眠などの更年期症状が出る人は全体の6割ほどですが、誰しも心と体の曲がり角に来ていると自覚することが大切です」

心と体の曲がり角、美容面にはどんな影響が?

「エストロゲンはコラーゲンと関係が深く、肌の弾力が衰えてシワになりやすくなります。また、血管の弾力性が失われて顔色がくすみがちになったり、骨が弱くなるなどの変化も。顔の骨は薄く、最初に減っていくのも顔の骨。たるみは肌や筋肉の問題と思いがちですが、実は土台である骨の変化も大きく影響するんですよ」

できるだけ美しく健康であるために、スキンケア以外にも心がけたいことは?

「まずは睡眠ですね。この世代の女性は睡眠不足になりがちなので、強く意識してほしい。しっかり睡眠をとると肌によいのはもちろん、うつにもなりにくいんです。あとは運動。軽い運動をすることで1日のリズムにメリハリがつき、自律神経を整える効果も。睡眠環境の改善にもつながります。メンタル的な症状には漢方薬を試すのも手。抑うつ状態には加味逍遙散、イライラしやすい人は抑肝散がよく効きます。このタイミングで正しい生活習慣にするか否かで、60〜70代では見た目も中身も大きな差が出てきます。ちゃんと対策をすれば大丈夫!前向きに過ごしてほしいですね」

こんな症状を感じたら要注意!? ホルモンの乱れ度チェック

□ 生理周期がバラついてきた
□ 睡眠に問題がある
(寝つきが悪い、夜中に目を覚ますなど)
□ これって更年期のせい?と思う不調がある
(疲れやすい、イライラしやすい、肩こり、多汗、のぼせなど)
□ なんでもないのに泣けることがある
□ 趣味や好きだったことに興味がもてなくなった

更年期以降も美しく健康に過ごすために
心がけたい4つのコト

睡眠環境を整える

睡眠は心身を健やかに保つ要。家事・育児は20時までに済ませて、自分だけの時間を作りましょう。ゆっくりお風呂に浸かったり、アロマでリラックスするなど眠りへの準備を整えて。

カルシウムやビタミンD、Kを意識して摂る

骨を強くするにはカルシウム、そしてビタミン D、K が必要。牛乳、きくらげ、鮭、納豆などをしっかり摂って。女性ホルモン様の成分エクオールをサプリで補給するのもおすすめ。

太りすぎも痩せすぎもNG!適正体重をキープする

更年期は無理なダイエットをすると脂肪よりも筋肉が落ちるので、適切な食事と運動で適正体重を維持することが大切。適正体重は 身長(m) × 身長(m)×22 で計算できます。

適度な運動は自律神経のバランスを整え、更年期症状の予防にも最適。無理のない範囲でいいので続けましょう。運動が苦手な人は歩きやすい靴で汗ばむ程度に早歩きするだけでも OK。

高尾美穂

高尾美穂

Miho Takao

イーク表参道副院長・婦人科スポーツドクター・ヨガ指導者。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、診療の傍ら、多くのメディアで情報を発信。明快な語り口で大人気。
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