内より美しく

肌荒れや不調を感じている人が増えている?

読むビューティサプリ

Vol.1

2023.06.01 UPDATE

かつてないストレスが続く今、肌不調から脱出する方法

「肌には体調や心の変化が現れる」 と皮膚科医も言うように、鏡の中の自分を見てそう実感している方も多いはず。特に今年は、1月下旬から新型コロナウイルスに対する不安や緊張感が続いています。
感染を免れていても「体調も肌の調子も良くない」という声が多く聞かれ、今まさにストレスが体に与える影響の解明が進んでいます。不調が現れる仕組みを知れば、予防も改善も可能なのです。

ストレスで緊張を感じると全身が"身構える"

ストレスは、体の機能を調整している自律神経に影響を与えます。自律神経は自分で意識しなくても働いていて、ストレスで緊張したときに優位になる交感神経と、リラックスして弛緩したときに優位になる副交感神経の2つの系統があります。交感神経が優位になると全身が「敵に遭遇して身構える」状態になります。
すると、武器を持ったり、何かにつかまって逃げるときに手が滑らないように手汗が出て、ケガをしても大量に出血しないように血管が収縮します。収縮しつつも全身に血液を巡らせるため心臓のポンプがせっせと動き、脈拍が速くなり、血圧が上がります。そして、食事をしている場合じゃないので食欲が失せ、消化機能が低下します。
このような交感神経優位の状態が長く続くと、消化不良、胃もたれ、冷えが現れ、肌は血流低下のためにくすみ、細胞に栄養が行きわたらず代謝が低下することになるのです。

緊張による不調から脱するには、意識して副交感神経優位に切り替えること。リラックスすることが効果的です。たとえば、ゆっくりと深呼吸をする、好きな香りをかぐ、目を閉じる、できれば横になってストレッチをする、お風呂の湯船につかる、など。ひと息入れてホッとできる時間を作ることで血管が広がって血行が良くなり、体温も上がり、緊張による悪影響を減らせます。

ストレスを受けると、消費が増える栄養成分がある

もうひとつ、ストレスが続いたときの体の変化を栄養面から見てみましょう。ストレスで多く消費される栄養成分として、ビタミンC、ビタミンB群(B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12)亜鉛、鉄が代表的。特にビタミンB群、亜鉛、鉄は日本人が不足しがちなため、ストレスが続く状況では欠乏症状が現れやすくなることが知られてきました。これらの成分が何に関わるかを見てみると、

ビタミンC:ストレス抵抗力、コラーゲンの生成、免疫力、鉄の吸収
ビタミンB群:免疫機能の維持、皮膚・粘膜の健康維持、神経の機能維持、糖・脂質代謝
亜鉛:免疫機能の維持、皮膚・髪・爪の発育、アルコール分解、味覚
鉄:体内の酸素の運搬、コラーゲン合成、脳の神経物質の合成

これらが不足すると免疫力の低下、疲労感、気力の低下、湿疹、皮膚炎、口角炎、不眠症、味覚障害、貧血などの症状が現れやすくなることがわかっています。

ストレスを感じると、自分のために好きなものや"ごほうび食"を選びがち。それでハッピーになれて元気が出たりしますが、体調や肌のためにはビタミンC、B群、亜鉛、鉄、そして体を作るたんぱく質を意識して摂ることをおすすめします。

新型コロナウイルスという、目に見えず無くすことが難しい相手がストレスの原因なので、私たち自身が悪影響を防ぐ知識を増やし、少しずつでも日々の暮らしに取り入れて、丁寧に肌のケアやインナーケアを大切にしましょう。
"リラックスと栄養は、まさに美のサプリ"なのですから。

肌不調脱出のために摂りたい食材

〈ビタミンC〉
パプリカ、ピーマン、ゴーヤ、 ケール、ブロッコリー、キウイ
〈ビタミンB群〉
豚肉、マグロ、うなぎ、玄米
〈亜鉛〉
牡蠣、牛肉、豚レバー、ホヤ、パルメザンチーズ
〈鉄〉
レバー、赤身肉、貝、卵黄、海藻、パセリ


●普通の食事で過剰摂取を起こすことはほとんどありません。●食事で摂りにくい場合はサプリメントを利用しても。服用量はサプリメントの外装に記載されている目安量に従いましょう。
〈参考資料〉図解でわかる最新栄養医学「うつ」は食べ物が原因だった! 溝口徹著 青春出版社

海野由利子

海野由利子

Yuriko Umino

ファッション誌の編集者を経てフリーに。皮膚科、婦人科、美容医療など医療分野にも取材の幅を広げる。雑誌の執筆のほか、化粧品開発や講演、ラジオ出演など多彩に活躍中。
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