心も美しく

【齋藤薫】一目惚れのメカニズム……人は、透明感ある人にこそ、心惹かれる

齋藤薫のビューティスタイル

Vol.42

2023.07.26 UPDATE

目惚れされる女性の絶対条件を知っているだろうか。これはズバリ、透明感!
一目惚れした理由に「透明感がある人だったから」と答える男性が本当に多いのだ。

彼らが言うところの〝透明感〟は、厳密に言えば、肌の透明感とは違う。存在そのものの透明感を指しているわけだけれど、当然のこととして肌の透明感も絶対条件の1つ。でもあくまでも全身からにじみ出るものの透明度に目を奪われ、心惹かれるというのである。

全身から、にじみ出る透明感……言い換えれば、それは見えないけれど見えている〝気配の透明感〟と言ってもいいもの。そう実際、透明感とは、色も形もないもの。一体何を以って透明感と言うのだろう。

いろんな言い方があるけれど、1つの答えは、光とみずみずしさと清潔感。例えば、水がどこまでも透明な、遠浅の海を思い出してみてほしい。光が水に差し込み、底砂に反射してキラキラしている様を。そういうときの水の色はあくまで青い。エメラルドグリーンを帯びた本当に清らかな青。存在の透明感も同様に、光と水、清らかさの三拍子が揃っていることが重要なのだ。

じゃあ、透明感が一目惚れの対象になる理由はわかるだろうか? それは、透明感のその奥に、人としての端正さが見て取れるから。美しい暮らしを丁寧に営んでいることが想像できるから。とても几帳面であったり、正直であったり、誠実であったりする人柄までが、透けて見えるからなのだ。

言い換えれば、透明感からその人の内面までを読み取って、存在を丸ごと評価し、心惹かれている形に他ならない。もっと言えば、瞬時に〝結婚したい〟とさえ思う。それが透明感への一目惚れなのである。

一目惚れは、ある種の〝ひらめき〟だと言われるけれど、もしそうならばそれは、もしもこの人と一緒に生きたら、心穏やかに気持ちよく生きていけるのではないかという、直感のようなものが働くということなのだろう。

もちろん、女性が女性に惹かれる時も、この透明感が決め手になることは少なくない。自分よりはるかに年齢が上なのに、存在が透明感に溢れている人に憧れるのは、やはり清らかな人生を生きてきた人に見えるから。生き方をひっくるめて憧れるのである。そういう意味では、透明感の量は年齢とは関係がない。ネガティブのない生活を端正に営んでいる人は、いくつになってもハッとするほどの透明感を放つものなのである。

こんなふうに、透明感は見えないようで見えている。ただ、存在の透明感は鏡には映らない。皮肉にも、他者の目にしか映らないものと言っても良い。だからこそ、何気ない毎日の暮らしこそが大切なのだ。透明な肌を作るのも日々のコンスタントなお手入れが大切なように、何気ない日々を丁寧に生きてみる。自ずと存在そのものが透明度を増してくるはずなのだ。

齋藤薫

齋藤薫

Kaoru Saito

美容ジャーナリスト/エッセイスト
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新著『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

読んだ人から〝ずっと美しい人〟になる20のレッスン。
読むエイジングケア「大人の女よ! 清潔感を纏いなさい」(集英社文庫)
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