日本文化を応援します

浴衣 伝統と挑戦、“かぶく”精神

Artist interview

掲載号 冬 2017 着物

2023.06.01 UPDATE

日本文化を普及するために、様々な伝統芸能や伝統品、
また日本文化を継承する方々を紹介してきました。

松崎まつざき笙子しょうこ

籃胎十二稜食籠「無月」

伝統と挑戦 かぶくゆかた 松崎笙子

歌舞伎や文楽を観はじめて70年、いまだに見飽きることはなく新しい発見もあり、記憶を思い返して修正したり。新作にも興味津々。若い役者方の藝を積み重ねていく姿にも魅かれます。ただ座っている、ただ歩いている、その姿が舞台に収まると、無言の藝が巧くなった!と嬉しくなったり。技が心を表現するようになる、心が型を完成させていくーー 藝の修業に厳しく対峙する姿が大好きです。そして厳しさを微塵も感じさせない削ぎ落とされた自然体の舞台が観客を魅了するのです。


日本の美や伝統に魅かれていたことが、浴衣のデザインに手を染めるキッカケでした。しかし伝統は、たんに温存と踏襲ではなく、今までを意識下において、「今」に生きる挑戦あってこそ継承されると思うのです。そして私の感じる江戸時代の心意気「かぶく」精神に「得たり!」と心酔しました。「傾く」の意で歌舞伎の語源です。厳しいご法度で雁字搦めのその中で、表現や行動の自由を得ようと常に新しい「物」「事」を創り続けたエネルギーが、まさに「かぶく」精神。反骨精神を感じます。遊び心も感じます。

「かぶく」精神は、浴衣が非日常を楽しむ変身の拵えとなった「今」、新しい発想と挑戦を私に促してくれ、「かぶくゆかた」として30年間、600余点の作品となりました。拵えで日常を離れることの意外さ、痛快さを賞てくださり、パワフルになれるとの評判。否々、かぶいて着ようという方々がパワフルなのです。

代表 冨宅のメッセージ

松﨑先生とは、10年以上前からご縁をいただいております。初めて個展に伺った時に、かぶくをテーマとした浴衣や手拭の作品を拝見し、大変感銘を受けたことを覚えております。チャレンジし続ける心意気、粋さが本当にすばらしく、心から尊敬しております。

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松崎まつざき笙子しょうこ

1944年東京生まれ。 女子美術大学芸術学部図案科卒。 女子美術大学名誉教授、グラフィックデザイナー。大学で指導にあたりながら、編集デザイン、ロゴタイプデザイン等を手掛ける。「伝統」と「今」が気に懸り、’75年浴衣デザインに着手、’83年初個展、2010年まで松屋銀座で「松﨑笙子のかぶくゆかた」展開催。’15年「KATAZOME」展(JAM女子美アートミュージアム)出展。 愛知県立芸術大学非常勤講師。JPC審査委員。
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