日本文化を応援します

不走庵 三輪窯 “デッドエンド”から“深淵”へ

Artist interview

掲載号 夏 2016 陶芸

2023.06.01 UPDATE

日本文化を普及するために、様々な伝統芸能や伝統品、
また日本文化を継承する方々を紹介してきました。

三輪みわ和彦かずひこ

DEAD END[1984]

1984年、山口県立美術館の屋内展示スペースに、約40トンの粘土とガードレールを用いたミニ道路を造り、その上をジープとバイクで走り、まるで生き物の様に鮮烈な轍の跡をつけた作品「デッドエンド」を発表しました。

寛文3年(1663年)、毛利藩より御用窯としての命を受けた陶家に生まれた私は、数年のアメリカ遊学から帰国した後暫くの間、自由極まりない米大陸文化と数千年の間蓄積された日本文化との狭間で為すべき当てを求めて彷徨っていました。そんな私に県の美術館より「何をやっても良いから」とのお誘いを頂き、一条の光を見出す事が出来ました。約1週間、毎日仲間と山口市に通いひたすら道路工事に汗を流し、1カ月前後の展示期間中は賛否両論の嵐に冷汗をかき、その後、また解体撤去作業に汗を流しました。

爾来、数トン、数十キロ数百キロと云う大型作品を手掛けて参りましたが、ここ最近ようやく掌の世界である茶碗に辿りつく事が出来ました。

淵淵[2014

幼少時より当り前の様に伯父(十代休雪)や父(十一代休雪)の作陶風景を目にし、いつの日からか「私も茶碗を・・・」と心に決めていたものを、「淵淵」というシリーズ名で観て頂く事になりました。
日本美の極の一つである茶道を「現在(いま)」の視点で皆様に問う事が出来る作品造りを目差しています。

不走庵 三輪窯
http://fusoanmiwagama.com

代表 冨宅のメッセージ

数年前に萩へ三輪様の作品を見にお伺いしたことがあります。作品の存在感、美しさに大変魅了されました。伝統を継承しつつ、創造と破壊を繰り返す中で、「現在」を表現されようとする情熱に心から感動を覚えます。

<ruby>三輪<rt>みわ</rt>和彦<rt>かずひこ</rt></ruby>

三輪みわ和彦かずひこ

1951年
山口県生まれ。11代三輪休雪(壽雪)の三男。
1975年
アメリカ留学。
1981年
帰国して三輪窯で個展を中心とする制作活動に入る
1990年
山口県芸術文化振興奨励賞を受賞
2006年
日本陶磁協会賞を受賞
国際陶芸アカデミー会員。
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